途轍もなく蒸し暑い日が2~3日続くこの頃。ところが大気不安定で、短時間ながら突然土砂降りになったり、日差しとともに雨が降ったりと、どうも落ち着かない。相変わらず、動き出して5分もすると、下着までズブ濡れになってしまう程の大汗。たまらず着替えても瞬く間にびっしょり。その上に突然の雨で、“中からも外からも”濡れる。8月の中旬には3~4日に一度くらいの割合で、最高気温が20℃前後にまでなる。30℃超にウンザリしていたので、「今日は涼しくていいなー」などと慢心していると、その薄ら寒さに驚くことも・・・・。
8月も後4日。2018年も3分の2が過ぎ去ってしまうと思うと、何処となく落ち着かず「時の流れの速さに」心穏やかならず。そうすると「そうだ。あれも、これも何とかしなくては・・」などと急に多忙感に包まれてしまう。昨日は16時過ぎから突然の豪雨であっという間に道路が川に変貌。暫くすると激しい雨とギラギラ陽射しが同時進行する。昔「狐の嫁入り」とか言っていた、一瞬時が止まったかのような錯覚に陥る。雨が止んでいた夕方の散歩時は思い切り“蒸し暑く”、コロは出掛けて3分もしないうちに「散歩拒否」。スタスタと家に戻り始めてしまう。浮かれまくっているムサシはキョトンとしながらコロに従っている。一旦戻ってムサシだけ連れて出かけると、近所の人が「今日は1匹・・」などと声をかけてくる。家に戻って暫くするとまたまたザンザン降り。今朝の散歩(5時30分頃から6時20分)時も何とか雨は止んでいたが、その後またまた土砂降り。一旦雨が降り始めると暫く愚図ついて、気が滅入るほど。
昨日はここのところのお湿りで成長著しいキウイや花梨、花壇脇の柘植やアジサイ、ツツジなどの刈り込み、それにカボチャ棚下の草取りなどで一日が終わってしまった。昼過ぎ、汗で「全身ずぶ濡れ」の状態に耐え切れず、着替えに戻る途中、「赤米の異変?」に気づく。目を凝らしてみると茶色がかった“穂”が出ている。昨年から「もう少し色の濃い赤米を・・・」と、これまでの「夕やけもち」から「紅染めもち」に品種を変えたが、昨年は育苗が思うに任せず、田植えも5月30日になってしまった。それに雨続きの低温傾向もあって(ヤキモキの毎日)、やっと穂が出たのは9月10日過ぎ。その後一向に成熟せず、11月中旬に無理やり脱穀したものの、とても食べられるような粒にはなっていなかった(色は驚くほど濃かったが・・)。今年は5月2日には田植えをして、「7月末には出穂した陸稲」を横目に「まだかなー」とまたまたヤキモキ。改めてネットで出穂時期を確認すると一カ月違う(前者が8月初め、後者は9月初め)ことを知り、「そのうち出るさ」と思っていたが、予想より1週間程早く出穂。これで上手く成熟してくれれば、念願の「(“色の濃い”)赤米」が那須でも栽培できるということになるが・・・。随分気を良くしつつ、家に戻って来たものの、今度は、この7月初めにピザを焼いて以来ご無沙汰している「石窯」が目に入り、「そう言えばあれ以来火も焚いていないなー」と溜息が出る。石窯作りも那須に居を構えて以来の“夢”。早々に調達した「大谷石」も苔生してしまっていた。
「(夢の)アトリエ」づくりで余った(余らした?)丸太を無理矢理使って、まずは「カーポート兼BBQ小屋」を作り始めたのは3月初め(その「西側に隣接したところに石窯を作ろう」との目算)。以前から「駐車&BBQスペース」として使っていたところに4m×4m程の小屋掛けをする。アトリエ作りで培った?ノウハウをフルに活かして、基礎作り1日半(大きな石が埋まっていて苦戦を強いられてしまった)、柱などの加工・運搬に半日。屋根掛け2日弱の都合4日間で格好(これから色々造作していくつもりなので、柱8本に屋根を葺いただけのものだが・・)にする。
その後、畑仕事などに感けて、なかなか手を付けられずにいたが、5月末(29日)にやっと石窯作りに着手。小屋の西側に、大き目の石を運び、砂利と路盤材で基礎部分を設え、脇に積み上げてあった大谷石で、幅90cm、奥行き120cmに組み上げていく。最初の2段目(高さ60cm)まではあっと言う間に出来たものの、その後、「上部の半円状の部分(焼き窯部分)をどうつくるか」で悶々とする日々が続く。その間、畑の草取りやら、展望台下の石垣積みなどと並行しながら思い悩みが続く。現有の石を加工せずにそのまま積んでいこうということに“拘り過ぎているんだ”と思い直し、早速入手した「石材用のカッター(ディスクグラインダー用))」を使って大谷石をカットし始めると急に作業が進み始める。
ところが、今度は「投入口」の扉を巡って、またまた悶々。辺りに転がっていた古―い「量水器の蓋」を取り付けられないか、と思いついてから、さらにその付け方をイメージするのに三度悶々。「4隅の突起部分を切り落とし、耐火煉瓦に挟み込むようにして固定する」という結論に達するのに1週間もの時間が流れていた。とりあえず“仮組”してみると、これが意外に「カッコイイ!!」。さー、一旦崩して、耐火モルタルで固めながら本組しようと言う段になって、縦30cm、横15cm、長さ90cmを中心とする大谷石を積み上げた際の悪戦苦闘を思い出してしまい、「何とかこのまま仕上げられないか」と、また悶々。
石の繋部分に耐火モルタルを詰め込むようにしながら「隙間」を埋めつつ、さらに、表面にはコンクリートモルタルを塗って、何はともあれ仕上げていく。ここで「煙突はどうする」とまたまた悩み始めてしまう。とにかく「“石ノミ”でコツコツと直径10cm余の穴を掘り始める(2~3日かかるかもしれないと思いながら)」。3分の1程まで進んだところで、何と石が「バカーン」と割れてしまう。こうなれば・・と「石・コンクリート用の研磨砥石」も動員して何とか穴を掘る終える。「初めから2つの石を半円状に削れば造作なかったのに・・」と遅ればせながら気づく始末。ともあれ、何とか曲がり煙突を取り付け、耐火モルタルで固定し終えたのは7月1日。
モルタル類が完全に乾くまで「1週間くらいかな」とぼんやり思っていたが、2日後には雨が降り、しっかりと水を吸い込んでしまった。「こうなったら火を焚いて乾かそう」と、目出度く?“火入れ式”。小量ながら、あちらこちらから煙が漏れてしまっているが、何とか“炉内”の温度が上がっていくのを確認。翌日再度耐火モルタルなどを調達して、これらの穴を塞ぎながら、ふと、「焚口や煙突などの大きな“開いた部分”があるのに、こんな小さな穴などに拘泥しても仕方ないのではないか」などと思い始める。それでも「(煙が)漏れるより漏れない方が良いに決まっている」ということで、都合で丸一日、隙間埋め、上塗りなどに費やす。
そして、スーパーから「半額割引」となっていたピサを買って来て、半日近く火を焚いて温め続けた炉に投入したのは7月6日。前の晩にまたまた雨が降ってしまったためか、なかなか思う温度(300℃くらい)には届かず、結局“生焼け”。最後はレンジでチンして食べてみたが、「こんなに“不味い”ものか」と驚くばかり。それに手作りした「ピール(ピザを載せて炉内に出し入れする道具)」も全く思い通りの使い勝手でないことに、我ながら情けなくなる程。
翌日、リベンジすべく、朝早くから火を焚き、十分に温度が上った12時前、直径45cmの「大ピザ」を半分ずつ(入り口が小さいので)焼いて、(数名の客人ともども)頬張る。何とか思い通りに焼け、しかも抜群の味。やっと叶った夢の瞬間に歓喜しつつ、「あとは石窯部分の屋根掛け、それに煙突だな」と、もう次の課題で頭の中が一杯になる。
ジャガイモや麦の収穫などを挟んで、残材を組み合わせて石窯用の屋根を増設(丸一日)したのは7月21日。さらに知人から貰い受けた「使い古しの煙突」を取り付け、ステンレス板で「ピール」も作り直して、「石窯関連」が全て完了したのは8月9日であった。なんと5ヶ月余も掛かった石窯づくり。まあー、生まれて初めての“石材加工・組み立て”、さらに煙突付け。戸惑い、立ち止まり、悶々としながらも出来上がってしまうと、何となく興味が薄れかけている自分に呆れかえっている。「雨が止んだら、ピサを焼いたり、シチュウなどの煮込み料理でも作ろうかな」などとボンヤリ考えつつ、庭木などの刈り込み作業に戻る。さーて、三度「火を入れる」のは何時になるか・・・・。それにしても『「夢」は諦めなければ必ず叶うもの』だとつくづく思う。