立秋以後ずっと天候が安定せず、蒸し暑い日が2~3日続いた後は曇天と雨。そして台風の余波。秋雨前線がしぶとく居座り、畑や山仕事でも、細々とした作業に終始し、「やり遂げた!」と思えるような“まとまったこと”にはなかなか手が付かけられない日々が続く。
この春からの田畑や果樹づくりは「鳥と虫」の攻撃に四苦八苦。例年にない暑い夏の後、秋雨前線+台風の影響で曇・雨天が続く。それでも大雨というほどのものではなくシトシト傾向が顕著。毎年数回は目の当たりにする、我が家の西をほぼ南
北に流れる大黒沢川の轟々たる濁流も今のところお目にかかることはない。こんな天候のためか鳥や虫は大活躍。反面、日々恐れをなして、トウモロコシには「防獣対策」も施したが、“イノシシ”は姿を見せずホッとしている(これからやってくるかも知れないが・・)。

春先から夏のような天候が続く。今年は「プラム、ソルダ
ム。梨やネクタリン」などの果樹は大豊作。またまた“何者かにやられるかもしれない”と恐々としていたが、案の定プラムは「明日は収穫して食べよう」と思っていた矢先にほぼ全滅。ほんの数個を口にしただけで今年も幻の如く消え去った。ただ、今年は木の下に足の踏み場もないほど食べ散らかしや種などが散乱していたので、「鳥の
仕業」であることは明らか(因みに昨年、一昨年と跡形もない状態で犯人像は特定し難かった)。大慌てでソルダムの木全体を防鳥網(4m四方のもの@2000円)ですっぽりと覆った。それでも網の隙間から侵入したらしく、8割方は盗られてしまったものの、2週間程の間に都合30個程収穫。思いの外の美味しさに大満足。「たくさん採れても食べきれないので、この程度が丁度良い」のかも知れないと思う
ばかり。



一方「梨」は、一昨年はタワワに実り、昨年はゼロだったので「梨も一年おきぐらいの周期・・?」などと期待が膨らんでいたものの、今年は5個程が実を結んだだけ。まあ、こんなものかと思っていたが、そのうちの1個は見事な大玉に成長。通常売っている長十郎を優に
超える見事さ。これも「明日の朝採ろう」と思っていたが、翌朝行ってみると姿を消してしまっていた。残っていた小さめのものも順次無くなっていってしまい、結局口に入らず仕舞い。4本のリンゴ(富士・つがる)の木のうち、ハウス前に植えて4年目の「つがる」。たった一つだが今年初めて実を付けた。袋掛けして大きくなるのを心待ちにしていたある日、破られた袋とともに地面に転がっていた。(鳥も食べずに残してくれた)折角の恵みなので、早速試食。深い甘みと上品な
酸味。見た目もイマイチで少々小振りながら完全無農薬、無肥料ならではの深い?味に恵まれたのはほぼ8年ぶりのこと。



我が家で最も早い6月半ばくらいには口にすることができる「ブルーベリー」。ベランダ下の大粒で甘さ抜群の(1本しかない)木は収穫が始まって3~4日すると一夜にして実が無くなってしまった。池周りなどに植えた数本も次々に色づき、採っても採ってもの状態が9月頃まで続く。お蔭で冷凍庫の一室を埋め尽くすほど。「健太ガレージ前」の“第二陸稲場”と池の間に植えて4年目の栗は昨年に引き続き大豊作で、小さい木なのに10日間程の間に3㎏程収穫。ベランダの川側(「ムサシ」の住まいの脇)の栗の木は、植えてから20年く
らいになるがこちらも大豊作で、毎日「ボターン、ゴロゴロッ」と大きな音を立ててベランダに落ちている。毎日拾い集めていくと都合5kg程にもなった。「栗ご飯や渋皮煮」で堪能するも到底食べきれる量ではない。栗も樹齢が上がると虫が入りやすいようで、ベランダで拾うものは大凡5個に1個は虫にやられている(雑木林の端にあることも関係している可能性もある
が・・)。


鳥に狙われているのはトマトも同じで、アトリエ前に14~5mの雨除けをして育てている約20余本の“中玉ト
マト”が、特にカラスに狙われている。ふと気づくと、まだ青い実が川沿いなどあらぬところに転がっていたりする。取りあえず、近づいて来る輩を脅すつもりで、「トラバサミ」2本を仕掛け、夜の獣用として点滅ライト2本も設えておく。設置し終えた翌朝、散歩から戻ってくるとアトリエ周りの上空に大量のカラスが群れ、盛んに鳴
きわめいている。「何事??」と恐る恐る行ってみると、1羽のカラスが仕掛けたトラバサミに掛かってトマトの根元で喚きながら暴れている。近くで見るとカラスはホントに不気味な鳥であることを改めて知る。


去年は散々だったので、「今年こそ・・」と色々考えた挙句、18mの防鳥ネット2本で両サイドを包み込むことに(ただ、こうしてしまうと収穫の際に逐一ネットをタクシ上げる必要があるが・・・)。コメリで調達して戻ってきて、掛かったカラスの様子を見に行くと、何とか仕掛けから足を外したらしく姿が無くなっている。ホッとした感じに包まれながら、ネットを張り巡らし、「これで大丈夫なはず」と胸を撫でおろす。お蔭で
今年は存分に収穫(冷凍保存分も十分に)できた。

8月も中旬となった頃、辺りの雑草を刈り払ってから、白菜や大根などの秋野菜の播種、苗の定植などを始めようと快調に刈り進め、序に「健太ガレージの裏」も刈ってしまおうと勇んで突き進んでいると、左脹脛の上部に尋常ならぬ激痛。「やられたー」とばかり慌てて草刈りを中止。取り急ぎ
汗みどろの作業着を着替え、病院探し。8月15日、お盆の真っ最中で、比較的近い病院は休診。仕方なく役場の保健センターに相談すると、兎に角、大病院Kに行ったら・・とのこと。取り急ぎ電話してみると「運転は危険だから、救急車を手配した方が・・」とか言われたが、「大袈裟のことは・・」と自分で運転していく。点滴に加えて、塗り薬、飲み薬など処方され、膝から下は包帯でぐるぐる巻き。「今度刺されたら命に係わる」と言われたのは5年ほど前の、やはり8月中旬。その時は“足長蜂”だったが、比較的自覚症状が軽かったので、これまで刺されたことのない“スズメバチ”のようだ。

翌日、恐る恐る現場に行って、あちこち突いたりしながら巣の在処を探してみるものの、辺りには数匹のスズメバチがウロウロしているのに一向に見つからない。満を持して地面に腰を下して蜂の動きを注視してやっと巣の在処を突き止める。軽トラを留置している川側に3段に積み上げてあった木のリンゴ箱の真ん中の箱の中に、盛んに蜂が出入りしている。3m余の竹の棒でリンゴ箱をひっくり返してみると直径20cm余の大きな巣を発見。草刈りをしている時に後ろから刺された理由がやっと判明。真かこんなところに巣があるとは予想だにしていなかった。


トマト跡のマルチ畝に白菜の苗を植えたのは8月末。ところが植えてから2日目にはほぼ半分が「夜盗虫(根切り虫)」にしてやられ、他にキャベツやブロッコリ―なども悉くやられてしまう。都合3回、苗床から苗を取って植え直し、最終的には8割方が育ちつつある。ただ、葉を虫に舐められたり、“半分”根切り虫にやられたりしたものが辛うじて葉を維持しているなど、直径30cmから5cmまでの凸凹状態。
イノシシからは攻撃を受けずに済んだものの、鳥や虫達に散々振り回されているうちに、既に桜やタラの木の葉がすっかり色づいてしまった。10月も中旬。これからは一夜毎に色濃くなっていく。「釣瓶落とし」とともに坂道を転がるように秋が深くなって行く。